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by A-tabi-rakawa

登校拒否・不登校問題全国のつどいin奈良

「登校拒否・不登校問題全国のつどい」は毎年全国各地で開催され、今年2012年は奈良で開催されました。
不登校の本人やご家族が交流し支え合う会になっています

会の名称の通り本来は不登校に関する会合ですが、対象となる本人が時間の経過とともに学齢を超えるケースが多くなり、「青年期」に関する分科会が毎年参加人数を増やしている様子です。


以下はたびだちの会に参加いただいている現役相談員の織田さんによるレポートです
織田さんは今回は統合失調症に関する分科会に参加されました
ひきこもりそのものは病気ではありませんが、ひきこもり状態が長く続くことで様々な不調が起こることはありますので参考にしてください

「第17回登校拒否・不登校問題全国のつどいin奈良」に参加して
2012年9月22日
東京教育相談員 織田孝正

[はじめに]
 今回は、万葉の里奈良の橿原ロイヤルホテルで、8月25日(土)~26日(日)全国のつどいが開かれ、はじめのつどい・記念講演・基礎講座・分科会・大交流会・各種交流会・おわりのつどいと盛りだくさんで内容の充実した話し合いがもたれました。2日間合わせた参加者約630名が多くのことを学び、交流を深めた「奈良のつどい」でした。
 今年は、千葉県松戸市の「不登校問題を考える東葛の会「ひだまり」」のメンバーと一緒に奈良に行きました。大人5名(代表男性1名・母親2名・20歳の女性・相談員の私)、高校1年生の女子2名の計7名です。中学の時不登校だった子どもたちにとって今回の奈良行は、修学旅行のやり直しでもありました。

[前日]
 24日(金)7時45分、松戸駅に集合。東京駅から新幹線に乗って京都駅へ。近鉄に乗り換えて大和西大寺駅に到着。平城京跡を見学。資料館では、案内人の方から様々な興味深い話をお聞きし、1300年前の万葉の時代に思いをはせました。その日は奈良のホテルで宿泊。夜は、全員で外に出て街を散策し(興福寺などがすぐそばにあります)、郷土料理を楽しみました。

[第一日目]
 翌日の25日(土)は、近鉄で会場の橿原ロイヤルホテルへ。全国大会だけあって、様々な方に会い、久しぶりの挨拶を交わすことができました。
 全体会では、「林宏美さんと蘇楽二胡教室のみなさん」による二胡演奏と「明日香風」によるコーラスで盛り上がりました。そして世話人代表の高垣忠一郎氏による「みんなで悩もう。揺れながらゆるやかにしたたかに乗り越えましょう。……命を大事にする声を広げていきましょう。」という挨拶等がありました。
 その後、澤田 修さん(精神科医 長崎県佐世保市天神病院副院長)による記念講演「登校拒否・不登校のこどもたちによりそう~教えられたことと、今思うこと~」がありました。(「つどい速報」に基づいてまとめてみました。)

・長崎のつどいの準備会に参加して、親の自己紹介を通して本音をききました。話される言葉に重みがありました。
・思春期の子どもたちは、どの子も発達上の悩みを持ち、苦悩しながらそれらの悩みをクリアしていきます。
・つらい気持ちを言葉で吐き出します。するとすきまができるので心に余裕が生まれます。必死に吐き出された言葉を大事に受け止めなければなりません。
・さきまわり、後押しはこちらのあせり。そういうことをしない。横について歩くより後からついていく気持ちで。急がば回れです。
・親のきつい気持ちはつどいの仲間に吐き出して聞いてもらう。吐き出した気持ちを大事に受け止めてもらう場を持つのは大切。
・信頼も愛情も目には見えない。世の中は、人と人とをバラバラにして、人と人とのつながりを希薄にしていくような力に満ちていくけれども、だからこそ孤立しないように。つながりを保っていきましょう。

 後で先生とお話をした時、「1日平均25名から30名の子どもたちを午後8時30分まで診察しています。」とおっしゃっていました。お話を通じて、先生の子どもへの温かいまなざしと子どもからいろいろなことを学ぼうという姿勢を感じました。
 その後、基礎講座と分科会に移りました。私が参加したのは、「医療・福祉とのかかわり」の分科会です。第一日目は、38名の参加で、自己紹介をかねながら子どもや家族の様子が話されました。

・統合失調症になりながらジャズに打ち込む17歳の子ども
・潔癖症で2ヶ月入院した高校生
・小・中学校の時いじめにあい、大学に入ってからフラッシュバックを起こした双極性障害の娘
・かつてひきこもり体験があり自殺願望もあったが、今は不安神経症があり、病院に通いつつ介護福祉士を目指している青年
 等々の話が出ましたが、講演した澤田先生も参加され、必要に応じて次のようなアドバイスをいただきました。
<薬について>
・薬を飲んだり飲まなかったりするのはよくない。薬によって腎臓をやられ、危険な状態になることがある。
・主治医の先生とよく話をする。信頼関係が大切で、その先生だから薬を飲む。その場合、信頼関係も一緒に飲むことになる。
・飲んですぐ効果はない。効果が現れるのに3~4日はかかる。
<仕事について>
・統合失調症の方は、自分はダメじゃないかと思ってしまう。
・仕事を始めると馬車馬のようにやりだす。普通は、10の内5~6を使うと限界と思うが、やりすぎるので壊れてしまう。
・「あせらないでよい」言うとかえってあせるので、「ゆっくり休みなさい」と言った方がよい。「急がばまわれ」である。
・家でもお父さんの役割があって、ブレーキ役になった方がよい。
<ミーティング>
・親の関わりをどうするか、その距離感が大切である。ともすればお母さんが寂しさを抱きがちである。
・病院は休息所のつもりで入るとよい。看護士長さんはオカミさんで主治医はダンナさんみたいなものだ。
・新しい病院は、経営上回転が速い。

[第二日目]
 26日の二日目は、約40名で新しく参加された方から自己紹介をかねたお話をしていただきました。精神科医としては、昨日に続いて澤田修先生(午前中のみ)と奈良の植原亮介先生(吉田病院)が参加されました。
 午前中は、参加者の体験発表や質疑応答をおこないました。
 看護士の母親から、子どもがADHDで暴力行為があるので、コンサーターを飲んだがよい状態とよくない状態が繰り返すという話に対して、
植原先生
・コンサーターは限定的で万能ではない。
・衝動性が問題で、薬では解決はしない。
・薬を飲む前に本人とよく話し合いをする。

 母親から、子どもが不安神経症となり、最近人格障害とも診断され、5分間診療で薬のみ渡されたという話に対して、
澤田先生
・以前は、人格障害という言葉は使われなかった。今は、人格障害の中でも、境界型(ボーダーライン)人格障害が多いといわれる。
・親御さんだけで来院されるケースも多い。
・治療を受けても、1~2ヶ月で効果は現れない。
・本人が知らぬ間に治療が終わるケースがある。

午後から植原先生のミニ講演会がありました。
<植原先生のミニ講演会>
・医者はすぐに病名を付けたがるが、精神面では病名判断はもっと難しい。
・抑うつ気分が2週間以上続くときは、各医者の判断を仰ぐ(うつ病が考えられる)。
・精神疾患は本人が困っていないが、周りが困っている場合が多い。
・発達障害は、青年期では病気のようでも、大きくなると基準を満たさなくなる場合がある。
・診断名よりも個々の実状を理解することが大切である。
・薬が効くことはあるが、継続して飲むことが大切である。
・統合失調症には薬がよく効く。
・子どものうつには、なるべく薬を使わない方がよい。
・若い子に人格障害と診断するのは慎重にした方がよい。トラウマからこういう性格になることがある。
・心身不調の時には内科に行き、不可解な行動の時には精神科にいく傾向がある。
・精神科に行くのがよいケースは次のような場合が考えられる。
①自殺への傾向性・自殺未遂
②薬物の使用(脱法ハーブなど)
③虐待
④統合失調症
⑤躁鬱症
・まず親などが、保健所や相談所へ行くことが大切である。
・薬については、出さざるをえないことがあるが、気をつけないと「オレを病気扱いにしている」と思わせることがある。
・向精神薬の副作用として、ロレツが回らなくなる、手がふるえるなどの症状がある。
 以上のミニ講演があった後、またお互いの体験談が話し合われ、20代の女性から摂食障害の話が出され、30代の体験者の女性のアドバイスなどがありました。
 最後に植原先生にお聞きしようということで質疑応答がなされ、自殺の話や諸外国との精神医療の違いなどの質問が出されました。
<植原先生の話>
・日本の自殺率は高くなっているが、薬はあまりきかない。
・自分の居場所を考えることも大切。
・合わない先生の所に通う必要はない。
・イタリアやイギリスに比べて日本は精神科の医師は3分の1である。
・日本では患者を病院に入れてそのままにしておくのが効率よいと考えられがちである。
・アメリカでは偉い先生が新薬についてプロモーションをかけるという問題点もある。  最後にご自分でもフリースクールの理事をなさっている大阪のお父さんから「私がモットーとしている四句がある」ということで次のような話がありました。
①乳児期 肌を離すな、手を離すな
②幼児期 肌を離せ、手を離すな
③少年期 手を離せ、目を離すな
④青年期 目を離せ、心を離すな

 こうして父母・教職員・青年学生・相談員・研究者・その他延べ人数約80名にわたる方々の話し合いが終わりましたが、「今まで一人で悩んでいたが、皆さんの意見を聞けてホッとした」「ここに来ると勇気をもらえる」という感想が出されました。
 続いて終わりのつどいが全体会場でなされ、何人かの感想発表の後「来年また北海道の帯広で会いましょう」というアピールがあって閉会になりました。
 「つどい速報」に寄せられた言葉をいくつか。「母とともに初参加。楽しかったです。ありがとう!」「勉強になりました。また来年も行きたい」「来年は帯広で! つどいでの出会いはたからもの!」「2日間楽しかった! 疲れはぶっ飛んだ。やっぱり~つどいは最高」「奈良は超よかった。楽しく過ごせた。次が楽しみ」等々。
 関係者の皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。
by A-tabi-rakawa | 2012-11-26 15:53 | Comments(0)

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